養蜂家さんとお会いする機会が多いのもキャンドル屋の特徴です。ハチミツを採取された後は原蝋を精製され蜜蝋キャンドルを作られます。作られたキャンドルに火を灯して暫くすると炎が何だか小さくなってしまう・・・また逆に炎が大きくなりすぎて黒煙がメラメラ・・・そんなお悩み相談でお越し下さる方も多いので、本日は蜜蝋と芯についてご案内します。
市場に流通している精製蜜蝋(ビーズワックス)を当店では工業グレード・化粧品グレード・食品グレードとランク付けしています。あくまでもキャンドル屋としての当店の見解でありますが、過去に様々なグレードの蜜蝋でキャンドル製作を行いましたが、工業グレードの蜜蝋ではキャンドルとしては安定した燃焼になりませんでした。最低でも化粧品グレードの精製レベルでないと販売する為のキャンドルが作れません。当然ながら原材料価格もグレードによって全く違いますので他のワックスで作ったキャンドルに比べると高額な商品となってしまいます。
また海外ではよくあるのですが、ビーズワックス100%でなくても「ビーズワックス」として販売されています。成分分析表を調べるとビーズワックス80%パラフィンワックス20%とか、50%ずつの配合などもあります。キャンドル用途以外にも様々なシーンで使われる蜜蝋なので用途に合わせて選んでね!と言った感じの様です。当店では蜜蝋100%じゃないと蜜蝋キャンドルでは無いと考えてしまうので、この様なブレンドはそもそも論外となりますが。
さて、蜜蝋についてはまだまだお話したい所ですが、本題の芯糸についてご説明します。
蜜蝋の炎が小さくなってしまう原因は2つだけです。芯糸の問題か、蜜蝋の問題のどちらかです。
芯糸はどれも同じだと思っていると大間違いです。溶けたロウを吸い上げる芯糸には様々なパターンの編込み技術があり、蜜蝋に適している物と適さない物が存在します。不適合な芯はいくらサイズの太い物をつかっても時間の経過で炎が消えそうになってしまいます。逆に適している芯糸を使えば、サイズの細い芯でも安定した燃焼状態を維持します。
もう一つの原因は蜜蝋の精製レベルです。養蜂で採取した蜜蝋を自家で何度も濾して不純物を取り除いても限界があります。自家精製した蜜蝋でキャンドルを灯した際に炎が小さくなるのはロウに残留している花粉や不純物が原因です。この花粉等が芯の目詰まりを引き起こしロウの吸い上げを妨げてしまいますので炎が消えそうになります。
精製濾過にも限界がありますので、あとは芯糸選びで問題が解決するかと言う事になり、当店にもご相談に来られる方も多くいらっしゃいます。ご提案出来る芯も各種ご用意していますが、全ての芯で試しても駄目な場合もあります。では芯糸についてご案内いたします。
「LX芯」一般的なパラフィンワックス・ジェルワックス・ソイワックスで対応可能です。当店の蜜蝋はこの芯で充分に燃焼可能ですが、工業グレード以下の蜜蝋では炎が小さくなります。
「BW芯」工業グレードの蜜蝋・精製レベルの低いソイワックス・パームワックスなどに対応します。養蜂家さんにはまずBW芯でお試し頂いています。それでも燃焼が不安定な場合は下記のPA芯をお試し頂きます。
「PA芯」LX芯の2倍、BW芯の1.5倍の吸い上げ能力と火力が強い芯です。BW芯で安定燃焼しない場合はこちらをお試し下さい。PA芯でも安定しない場合は芯糸の限界ですので、残念ながら蜜蝋の精製を見直すしか無いかと思います。
お手持ちの蜜蝋と弊店取り扱いの芯が適合するかテストするためのキットも発売中!
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