キャンドル作りの用語<ワックスの性質1>

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キャンドル作り用に使われるワックスにも
様々な素材があり、それぞれの性質がある事は
以前の記事でもご案内しています。
今回はワックスに起り得る様々な現象を解説します。
プロの方々がワックスの性質を理解した上で
素敵な作品を作られている事が理解できると思います。

<収縮>
ワックスの種類により程度が違いますが、
ワックスという物は環境に応じて収縮します。
当店では「へこみ」と呼んでいます。
収縮する程度を収縮率とも呼んでいます。
例えば同じワックスを液体から自然冷却(放置)で固めます。
室温が20度の場合と10度の場合では収縮率が変動します。
室温や環境など外的要因により多大な影響を受けます。
硬化する時間の変化によってもキャンドルの風合いも変動します。
キャンドルの収縮
「キャンドルが固まる時にへこむのですが・・・?」と、
初めて作られる方は心配されるかもしれませんが、
「そういう物なのです」としか答えられません。

収縮率や収縮する形・大きさ・深さは
使用している容器や型によっても様々です。
直径が細く、深さが有るほどへこみ方が大きくなります。
これらも様々な容器を使って比較対象する必要があります。

収縮したキャンドルに熱いワックスなど流し込むと
今度は膨張しようとしてキャンドルに亀裂が入ります。
特に寒い環境下での制作時は発生しやすい現象です。

<スジ模様>
外国ではジャンプ線という表現で使われていますが、
ピラーキャンドルなどを制作した場合、
側面にリングの様なスジ模様が発生する場合があります。
これはワックスの流し込み温度が低い場合に発生しやすく、
ワックスが継ぎ足されていく過程で表面に模様が出ます。
対処法としては型などを温めておいてから流し込む、
またはワックス温度を高くして流し込む事で解消します。
パラフィンワックス、ジェルワックス、パームワックスなどは
特にこの現象が出やすくなります。

尚、流し込んだワックスが硬化した後に
さらにワックスを継ぎ足すと色合いの違う継ぎ目の線が発生します。

<空洞が出来る>
シンクホールという表現で使用します。
出来上がったキャンドル内部に空洞が存在する場合があります。
特にパームワックス、ソイワックスは出来やすく、
深さのある(高さ)パラフィンワックスキャンドルでも発生します。
キャンドルの空洞
<穴埋め>
当店独自の言い回しですが、一般的にはリリーフホールと言います。
上記の空洞が発生する事を踏まえ、硬化時にワックス表面に
穴を開け、空洞部分にワックスを流し込んで空洞を無くします。
ワックスの種類により回数が異なりますが、
2~3回程度、繰り返さないと完全に埋める事が出来ません。
キャンドルの空洞

<モッティング>
パラフィンワックスベースのキャンドルで見られる
まだら・斑点模様の事を言います。
これらが発生する要因は添加剤の比率で影響します。
意図して作られたキャンドルは「モッティングキャンドル」とも言います。
あえて模様をデザインとして見せる技法です。
油分を上昇させる必要がありますので、
キャンドルの硬度が低下するのも避けられません。
ベストなバランスで作るテクニックが必要です。
また制作時は硬化する時間を調整する事で
模様の出方が変わります。
モッティングキャンドル
上記は硬化時間が短い場合の模様の出方です。
モッティングキャンドル
上記は模様が最大限に出るタイミングで制作した場合です。
このように添加比率や硬化時間などを操作する事で
同じ物が全く違う風合いになるのもキャンドルの面白さです。

今回はワックスの性質について解説しました。
まだまだ様々な現象がありますので、次回にご案内します。

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